ブライダルリング業界で、”3点セット”とは、婚約指輪1本と 結婚指輪2本のこと。ひと昔前だと、これで40−50万円もしたので、 これが売れると、販売スタッフは大いに盛り上がったものです。
本来、婚約指輪(エンゲージリング)と結婚指輪(マリッジリング)では、 使い時期が半年くらい違う(以前は結納が一般的だった)ので 一緒に購入する必要はなかったのですが、3点セットが普及したのは 婚約指輪と結婚指輪がセットになったデザインが、開発されたからなのです。
まっすぐなデザインのシンプルな婚約指輪と結婚指輪を重ねて正面から見ると 婚約指輪のダイヤモンドが円形なので、その部分がじゃまになって 2本の指輪の間にすき間が出来てしまいます。 そこで両方の指輪のデザインを工夫して、2本が一体になったように見せるのが セットリングです。
セットリングは、私がトレセンテ在籍時、92年くらいに開発したV字デザインの ものが最初です。婚約指輪の丸いダイヤモンドをV字の中に納めることにより、 同じV字の結婚指輪(当時では斬新なダイヤ7石入り)とぴったり重なるように したのです。今から見れば、とても素朴なセットリングです。
セールストークは、”婚約指輪を1本だけつけるのは、婚約期間だけなので 結婚後もセットでつけられる方がいいですよ”というものでしたね。
トレセンテとしては、ヒット商品フローラ発売前の大黒柱だったのですが 残念ながらいつの間にか下火になってしましました。 その理由は、V字デザインが男性にとって抵抗があったからだと思います。 セットリングというコンセプトは良いのですが、男性にしてみれば 普段を重視したデザインの方が良かったわけです。
そうして生まれたセットリングですが、誕生から20年近く経過し、 デザインのバリエーションは果てしなく広がりました。
もちろん、素晴らしいデザインのものもありますが、 中には”おいおい大丈夫か?”というものも少なくないのですね。
そのポイントは、 結婚指輪(マリッジリング)1本で見たときに、美しいデザインかどうか ということに尽きます。
婚約指輪の丸いダイヤモンドと一体化させた結婚指輪は、 デザイン上、どこかに無理がいってしまうことが多いのです。 その結果、結婚指輪(マリッジリング)単独で見ると、 不思議なデザインが、生まれてしまうことなります。
婚約指輪(エンゲージリング)の購入時、テンションMAXの女の子は セットのデザインに大喜びなのですが、あとで落ち着いてみると ”この結婚指輪のデザイン、ちょっと変ってるね” なんてことになりかねない。 結婚指輪を単独でつける時間の方が、セットリングとしての時間より はるかに長いですからね。 特に、セットリングのメリットがない男性は困ってしまいます。
そもそも、現在のセットリングには、デザインの美しさ以上に “結婚指輪を婚約指輪と一緒に売ってしまえば手間が半減” という店舗側の事情が、色濃く反映されているようにも思えるのです。
長くなってしまいましたが、私がお伝えしたいことをまとめると ・ 婚約指輪(エンゲージリング)と結婚指輪(マリッジリング)が セットになったデザインを検討する場合は、 結婚指輪単独のデザインこそ重視するべき。 ・ 結婚指輪も大きな買い物なのだから、特段の理由がない限り 婚約指輪と一緒に購入する必要はありません。 落ち着いてゆっくり考えましょう。
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